伝統ある七宝を気軽に楽しんでみませんか?
七宝、と聞けば、大抵の人は「難しそうだ」と思うでしょう。でもそれは誤解です。
確かに手の込んだものは難しいですが、簡単なものはびっくりするくらいに簡単なんです。
非常に簡単に言ってしまえば、銅板に専用の絵具(釉薬)を乗せて焼くだけ。
達人への道は物凄く遠いながら、戸口は誰でもくぐれるほどに広い。それが本来の「七宝」です。
電気炉が必要ということで、金銭的な面では少し敷居が高いかもしれません。
ですが、釉薬などは50gを購入すれば、個人で七宝を楽しむ分にはよほど大きな作品を作らない限りは相当持ちます。初期投資を思い切ってしまえば、後は少しずつ素材を購入していけば良いのです。
のんびりゆっくり、着実に作れる七宝。ぜひ尻込みせず、挑戦してみて下さい。
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技法メニュー
■ 準備
■ 単色七宝
■ ビーズ七宝・フリット七宝
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□■準備■□
七宝焼きには様々な準備が必要です。
以下の4項目は必ず必要となりますので、ぜひ頭に入れておきましょう。
◎ 釉薬の水洗い
◎ CMCの準備
◎ 素地の前処理
◎ 裏引
まず準備する基本的なものは以下の通り。
・ 素地(銅板、銀板など)
・ 使用する釉薬(裏引用含む)
・ 面相筆 または ホセ
・ 希硫酸 または サンポール または スチールウール
・ 重曹
・ 電気炉
・ ステンレス網
・ ステンレス炉床板 または セラミックフェルト
スチールウールではなくサンポールや希硫酸を使用する場合には、加えて真鍮ブラシをご用意下さい。
綺麗に安全に洗うため、個人的にはサンポールがオススメです。
少々手に厳しいのでゴム手袋をはめて作業して下さい。
◎釉薬の水洗い
釉薬には、色の濁りの原因となる微粉やゴミが混入しています。そのため、使用の前には必ず水洗いをしてこれを取り除きましょう。
なお、裏引用の釉薬には水洗いは不要です。裏も見せるような作りの作品でなければ、色の濁りを気にする必要がないためです。
1.容器の中に使用する釉薬を入れ、綺麗な水を注ぎます。
2.ホセ(竹べら)や筆の尻などでかき混ぜ、白濁の原因となる微粉やゴミを浮き上がらせます。
3.容器の底をコンコンと叩き、釉薬を沈殿させます。
ある程度釉薬が沈殿したら、濁った水を捨てましょう。
4.不透明、半透明釉薬は3を2〜3回、透明釉薬はできれば水の色が透明になるまで(5〜8回)繰り返します。
水洗いする釉薬は、頻繁に使うのでなければ必要量に留めておくのが良いかと思います。水洗いしてそのまま放置しておくと、釉薬に結晶ができ、乳鉢で細かくする必要がでてくる場合があるためです。
準備メニューに戻る
◎CMCの準備
CMCとは、化学のりのことです。
「有線七宝」の技法で線を立てるのに使用したり、素地に盛り付けた釉薬が乾燥後に崩れないようにするために釉薬に混ぜて使用したりします。
ただし、CMCは釉薬の変色を招く場合があります。具体的に言うと、付けすぎた場所の釉薬が黄色くなります。あまり量を使わないように注意して下さい。
1.ぬるま湯にCMCを入れて混ぜます。
水100:CMC1の割合で充分です。
2.CMCが固まって「だま」にならないよう、透明になるまでよく混ぜます。
密封できる容器に入れて保管しましょう。
3.裏引用の釉薬に、2を3〜4滴入れてよくかき混ぜて使用します。
素地のアール(山)が高いときには、表の盛り付け釉薬にも、30gに対して1〜2滴の割合で混ぜて下さい。
アールが低いのであれば、混ぜない方が発色は綺麗になります。
CMCを混ぜた釉薬は、使用後は再び水洗いしてCMCを落として下さい。水を切って保管します。
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◎素地の前処理
素地に付着している油脂やゴミなどの汚れを取り除きます。
処理を行わないまま釉薬を乗せると、変色や崩れを引き起こす危険性があります。
素地が銅板の場合、処理の方法は2種類あります。
A.スチールウールで磨く
1.素地を洗剤で洗い、油分を取り除きます。
2.スチールウールで素地の表と裏を丁寧に磨き、汚れを水で洗い流します。
3.重曹を表裏ひとつまみ振りかけて中和し、水で洗い流します。
4.乾いた布やティッシュで水分を完全に拭き取ります。
B.酸で洗う
1.耐酸性の容器に希硫酸、もしくはサンポールを入れます。
希硫酸は強力すぎて危険なので、一般的にはサンポールの使用が無難です。
2.素地を希硫酸、もしくはサンポールに浸します。
引っ繰り返して両面をサンポールに暫し浸したら、ピンセットを使用して素地を引き上げます。
あまり長く浸けすぎないようにしましょう。
3.真鍮ブラシを使用して流水で充分に洗います。
4.重曹を表裏ひとつまみ振りかけて中和し、水で洗い流します。
5.乾いた布やティッシュで水分を完全に拭き取ります。
また、純銀の素地を使用する場合には、電気炉による空焼きのみで大丈夫です。面倒な前処理は必要ありません。
700〜730℃で表面が薄いピンク色になる程度まで焼成します。
なお、あまり高温で焼いたり長く焼きすぎたりすると、銀が焦げてしまう危険性があります。
前処理の済んだ素地は、汚れた手で触らないように注意して下さい。
特に油脂が再度付着しないよう、できれば布やティッシュなどに包んで移動させて下さい。
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◎裏引
素地の厚みや大きさにもよりますが、一般に1mm以下の素地を使用する場合、素地の表面だけに釉薬を盛り付けて焼成すると、作品の冷却時に釉薬が割れてしまいます。
これを防ぐために、裏面にも釉薬を乗せておきましょう。
裏引の釉薬は何でもOK。ですが、基本的には安価な「裏引用」の釉薬を使用するのが良いでしょう。零してしまった釉薬などを混ぜて使用なさる方も多くいらっしゃいます。
1.前処理済みの素地の裏(凹面)に、1mmほど均等な厚さで釉薬を盛り付けます。
中央に釉薬が溜まらないよう注意しながら、フチまで盛り付けましょう。
2.ガーゼや吸水布、ティッシュなどで釉薬の水分を取り除きます。
3.残った水分を乾燥させます。
早く乾燥させたいときには、ステンレス網に素地を乗せ、電気炉の上部などで加熱しましょう。
なお裏引は、表面(凸面)に釉薬を盛り付けるより先に焼き付けておくことも可能です。七宝講習などでは、恐らくすでに裏引が施されているでしょう。
先に焼成する場合には、表面に盛り付ける前に、もう一度前処理を行って黒い酸化皮膜を綺麗にしておきましょう。
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□■単色七宝■□
単色七宝は、最も基本的な技法です。
よくある「七宝体験教室」などで全くの初心者の方が体験するのがこれですね。
全体を一色で塗るため失敗が少なく、主に小さな銅板に施されます。
七宝の基礎となる技法ですので、初心者の方はまず単色七宝を完全にマスターすることをオススメします。
1.釉薬を盛る ------------------------------------------------------------------------
1.面相筆、もしくはホセなどで、釉薬を盛ります。
銅板の縁の、少し盛り上がった部分には盛らないように注意して下さい。厚さは大体均等になるように盛りましょう。
半透明や透明であれば、厚さによって色の濃さが変わります。銅板の色をあまり出さない濃い色が好みなら、厚めに盛って下さい。
盛り終わったら、必ず水分を取っておきましょう。
なお釉薬を盛る作業は、ステンレス網の上で行うと、移動の際に崩れることが少なくなります。
ちなみに画像は透明の「A094 ダークローズ」です。
2.焼成 --------------------------------------------------------------------------------
ステンレス炉床板(あるいはセラミックフェルトがオススメ)の上にステンレス網を乗せ、銅板を乗せて電気炉で焼きます。
800℃まで温度を上げた電気炉に、温度が下がらないよう素早く銅板を入れます。覗き穴から様子を見ながら、表面がつるりとしたガラス質になったら完成です。【クラフトNK3】で販売している窯であれば、大体、下がった温度が再び800℃まで上昇したくらい(2分程度)が頃合です。
窯から出したばかりの作品は、赤くなっていて色が違います。段々と本来の色に戻る様をお楽しみ下さい。
画像は盛り付け段階と同じ「A094 ダークローズ」なのですが、焼成前とはかなり色が変わりました。
釉薬の色は、銀箔を張ったり下引をしたり、あるいは純銅板か丹銅板かでも変わってきます。色々と試してみて、自分の一番好きな方法を見つけてみて下さい。
3.枠付 --------------------------------------------------------------------------------
枠に嵌めます。
もし釉薬が枠の部分にかかっていて入らなければ、棒やすりで削って下さい。
軽く水で洗って削りカスを落とし再び焼き直せば、削った部分が綺麗になります。
2液の接着剤を枠にしっかり付けて、作品を接着したら完成です。
技法メニューに戻る
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□■ビーズ七宝・フリット七宝■□
ビーズ七宝とフリット七宝は、単色で釉薬を盛ったところに、膨張係数の同じビーズやフリットを乗せて焼成する技法です。
手軽に模様を付けられるので、単色七宝を練習しがてら試してみるのも良いでしょう。
この技法も、体験教室でよく使われています。
1.釉薬を盛る --------------------------------------------------------------------------
単色七宝と同じ手順です。
面相筆、もしくはホセなどで、釉薬を盛ります。
銅板の縁の、少し盛り上がった部分には盛らないように注意して下さい。厚さは大体均等になるように盛りましょう。
半透明や透明であれば、厚さによって色の濃さが変わります。銅板の色をあまり出さない濃い色が好みなら、厚めに盛って下さい。
盛り終わったら、必ず水分を取っておきましょう。
なお釉薬を盛る作業は、ステンレス網の上で行うと、移動の際に崩れることが少なくなります。
2.ビーズやフリットを乗せる ------------------------------------------------------------
盛った釉薬の上に、好きな色や形のビーズまたはフリットを、埋め込むように乗せます。
もしもベースの色を焼いた後に乗せたければ、CMCのりなどで固定しておくと綺麗な仕上がりになります。
3.焼成 --------------------------------------------------------------------------------
ステンレス炉床板(あるいはセラミックフェルトがオススメ)の上にステンレス網を乗せ、銅板を乗せて電気炉で焼きます。
800℃まで温度を上げた電気炉に、温度が下がらないよう素早く銅板を入れます。覗き穴から様子を見ながら、表面がつるりとしたガラス質になったら完成です。【クラフトNK3】で販売している窯であれば、大体、下がった温度が再び800℃まで上昇したくらい(2分程度)が頃合です。
4.枠付 --------------------------------------------------------------------------------
枠に嵌めます。
もし釉薬が枠の部分にかかっていて入らなければ、棒やすりで削って下さい。
軽く水で洗って削りカスを落とし再び焼き直せば、削った部分が綺麗になります。
2液の接着剤を枠にしっかり付けて、作品を接着したら完成です。
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なお、膨張係数の異なる素材を乗せると、後々作品に亀裂が入ってしまう危険性があるので注意しましょう。
合成石を試してみたところ、3日後にヒビが入りました。
分厚い作品(割れやすい)だったので、確実に割れるとは言えませんが、ご注意下さい。
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徐々に技法を増やしていきたいと思います。
もし「こんなやり方が知りたい」などのご希望がございましたら、掲示板かメールにてお問い合わせ下さいませ。
七宝、と聞けば、大抵の人は「難しそうだ」と思うでしょう。でもそれは誤解です。
確かに手の込んだものは難しいですが、簡単なものはびっくりするくらいに簡単なんです。
非常に簡単に言ってしまえば、銅板に専用の絵具(釉薬)を乗せて焼くだけ。
達人への道は物凄く遠いながら、戸口は誰でもくぐれるほどに広い。それが本来の「七宝」です。
電気炉が必要ということで、金銭的な面では少し敷居が高いかもしれません。
ですが、釉薬などは50gを購入すれば、個人で七宝を楽しむ分にはよほど大きな作品を作らない限りは相当持ちます。初期投資を思い切ってしまえば、後は少しずつ素材を購入していけば良いのです。
のんびりゆっくり、着実に作れる七宝。ぜひ尻込みせず、挑戦してみて下さい。
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技法メニュー
■ 準備
■ 単色七宝
■ ビーズ七宝・フリット七宝
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□■準備■□
七宝焼きには様々な準備が必要です。
以下の4項目は必ず必要となりますので、ぜひ頭に入れておきましょう。
◎ 釉薬の水洗い
◎ CMCの準備
◎ 素地の前処理
◎ 裏引
まず準備する基本的なものは以下の通り。
・ 素地(銅板、銀板など)
・ 使用する釉薬(裏引用含む)
・ 面相筆 または ホセ
・ 希硫酸 または サンポール または スチールウール
・ 重曹
・ 電気炉
・ ステンレス網
・ ステンレス炉床板 または セラミックフェルト
スチールウールではなくサンポールや希硫酸を使用する場合には、加えて真鍮ブラシをご用意下さい。
綺麗に安全に洗うため、個人的にはサンポールがオススメです。
少々手に厳しいのでゴム手袋をはめて作業して下さい。
◎釉薬の水洗い
釉薬には、色の濁りの原因となる微粉やゴミが混入しています。そのため、使用の前には必ず水洗いをしてこれを取り除きましょう。
なお、裏引用の釉薬には水洗いは不要です。裏も見せるような作りの作品でなければ、色の濁りを気にする必要がないためです。
1.容器の中に使用する釉薬を入れ、綺麗な水を注ぎます。
2.ホセ(竹べら)や筆の尻などでかき混ぜ、白濁の原因となる微粉やゴミを浮き上がらせます。
3.容器の底をコンコンと叩き、釉薬を沈殿させます。
ある程度釉薬が沈殿したら、濁った水を捨てましょう。
4.不透明、半透明釉薬は3を2〜3回、透明釉薬はできれば水の色が透明になるまで(5〜8回)繰り返します。
水洗いする釉薬は、頻繁に使うのでなければ必要量に留めておくのが良いかと思います。水洗いしてそのまま放置しておくと、釉薬に結晶ができ、乳鉢で細かくする必要がでてくる場合があるためです。
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◎CMCの準備
CMCとは、化学のりのことです。
「有線七宝」の技法で線を立てるのに使用したり、素地に盛り付けた釉薬が乾燥後に崩れないようにするために釉薬に混ぜて使用したりします。
ただし、CMCは釉薬の変色を招く場合があります。具体的に言うと、付けすぎた場所の釉薬が黄色くなります。あまり量を使わないように注意して下さい。
1.ぬるま湯にCMCを入れて混ぜます。
水100:CMC1の割合で充分です。
2.CMCが固まって「だま」にならないよう、透明になるまでよく混ぜます。
密封できる容器に入れて保管しましょう。
3.裏引用の釉薬に、2を3〜4滴入れてよくかき混ぜて使用します。
素地のアール(山)が高いときには、表の盛り付け釉薬にも、30gに対して1〜2滴の割合で混ぜて下さい。
アールが低いのであれば、混ぜない方が発色は綺麗になります。
CMCを混ぜた釉薬は、使用後は再び水洗いしてCMCを落として下さい。水を切って保管します。
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◎素地の前処理
素地に付着している油脂やゴミなどの汚れを取り除きます。
処理を行わないまま釉薬を乗せると、変色や崩れを引き起こす危険性があります。
素地が銅板の場合、処理の方法は2種類あります。
A.スチールウールで磨く
1.素地を洗剤で洗い、油分を取り除きます。
2.スチールウールで素地の表と裏を丁寧に磨き、汚れを水で洗い流します。
3.重曹を表裏ひとつまみ振りかけて中和し、水で洗い流します。
4.乾いた布やティッシュで水分を完全に拭き取ります。
B.酸で洗う
1.耐酸性の容器に希硫酸、もしくはサンポールを入れます。
希硫酸は強力すぎて危険なので、一般的にはサンポールの使用が無難です。
2.素地を希硫酸、もしくはサンポールに浸します。
引っ繰り返して両面をサンポールに暫し浸したら、ピンセットを使用して素地を引き上げます。
あまり長く浸けすぎないようにしましょう。
3.真鍮ブラシを使用して流水で充分に洗います。
4.重曹を表裏ひとつまみ振りかけて中和し、水で洗い流します。
5.乾いた布やティッシュで水分を完全に拭き取ります。
また、純銀の素地を使用する場合には、電気炉による空焼きのみで大丈夫です。面倒な前処理は必要ありません。
700〜730℃で表面が薄いピンク色になる程度まで焼成します。
なお、あまり高温で焼いたり長く焼きすぎたりすると、銀が焦げてしまう危険性があります。
前処理の済んだ素地は、汚れた手で触らないように注意して下さい。
特に油脂が再度付着しないよう、できれば布やティッシュなどに包んで移動させて下さい。
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◎裏引
素地の厚みや大きさにもよりますが、一般に1mm以下の素地を使用する場合、素地の表面だけに釉薬を盛り付けて焼成すると、作品の冷却時に釉薬が割れてしまいます。
これを防ぐために、裏面にも釉薬を乗せておきましょう。
裏引の釉薬は何でもOK。ですが、基本的には安価な「裏引用」の釉薬を使用するのが良いでしょう。零してしまった釉薬などを混ぜて使用なさる方も多くいらっしゃいます。
1.前処理済みの素地の裏(凹面)に、1mmほど均等な厚さで釉薬を盛り付けます。
中央に釉薬が溜まらないよう注意しながら、フチまで盛り付けましょう。
2.ガーゼや吸水布、ティッシュなどで釉薬の水分を取り除きます。
3.残った水分を乾燥させます。
早く乾燥させたいときには、ステンレス網に素地を乗せ、電気炉の上部などで加熱しましょう。
なお裏引は、表面(凸面)に釉薬を盛り付けるより先に焼き付けておくことも可能です。七宝講習などでは、恐らくすでに裏引が施されているでしょう。
先に焼成する場合には、表面に盛り付ける前に、もう一度前処理を行って黒い酸化皮膜を綺麗にしておきましょう。
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□■単色七宝■□
単色七宝は、最も基本的な技法です。
よくある「七宝体験教室」などで全くの初心者の方が体験するのがこれですね。
全体を一色で塗るため失敗が少なく、主に小さな銅板に施されます。
七宝の基礎となる技法ですので、初心者の方はまず単色七宝を完全にマスターすることをオススメします。
1.釉薬を盛る ------------------------------------------------------------------------
1.面相筆、もしくはホセなどで、釉薬を盛ります。
銅板の縁の、少し盛り上がった部分には盛らないように注意して下さい。厚さは大体均等になるように盛りましょう。
半透明や透明であれば、厚さによって色の濃さが変わります。銅板の色をあまり出さない濃い色が好みなら、厚めに盛って下さい。
盛り終わったら、必ず水分を取っておきましょう。
なお釉薬を盛る作業は、ステンレス網の上で行うと、移動の際に崩れることが少なくなります。
ちなみに画像は透明の「A094 ダークローズ」です。
2.焼成 --------------------------------------------------------------------------------
ステンレス炉床板(あるいはセラミックフェルトがオススメ)の上にステンレス網を乗せ、銅板を乗せて電気炉で焼きます。
800℃まで温度を上げた電気炉に、温度が下がらないよう素早く銅板を入れます。覗き穴から様子を見ながら、表面がつるりとしたガラス質になったら完成です。【クラフトNK3】で販売している窯であれば、大体、下がった温度が再び800℃まで上昇したくらい(2分程度)が頃合です。
窯から出したばかりの作品は、赤くなっていて色が違います。段々と本来の色に戻る様をお楽しみ下さい。
画像は盛り付け段階と同じ「A094 ダークローズ」なのですが、焼成前とはかなり色が変わりました。
釉薬の色は、銀箔を張ったり下引をしたり、あるいは純銅板か丹銅板かでも変わってきます。色々と試してみて、自分の一番好きな方法を見つけてみて下さい。
3.枠付 --------------------------------------------------------------------------------
枠に嵌めます。
もし釉薬が枠の部分にかかっていて入らなければ、棒やすりで削って下さい。
軽く水で洗って削りカスを落とし再び焼き直せば、削った部分が綺麗になります。
2液の接着剤を枠にしっかり付けて、作品を接着したら完成です。
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□■ビーズ七宝・フリット七宝■□
ビーズ七宝とフリット七宝は、単色で釉薬を盛ったところに、膨張係数の同じビーズやフリットを乗せて焼成する技法です。
手軽に模様を付けられるので、単色七宝を練習しがてら試してみるのも良いでしょう。
この技法も、体験教室でよく使われています。
1.釉薬を盛る --------------------------------------------------------------------------
単色七宝と同じ手順です。
面相筆、もしくはホセなどで、釉薬を盛ります。
銅板の縁の、少し盛り上がった部分には盛らないように注意して下さい。厚さは大体均等になるように盛りましょう。
半透明や透明であれば、厚さによって色の濃さが変わります。銅板の色をあまり出さない濃い色が好みなら、厚めに盛って下さい。
盛り終わったら、必ず水分を取っておきましょう。
なお釉薬を盛る作業は、ステンレス網の上で行うと、移動の際に崩れることが少なくなります。
2.ビーズやフリットを乗せる ------------------------------------------------------------
盛った釉薬の上に、好きな色や形のビーズまたはフリットを、埋め込むように乗せます。
もしもベースの色を焼いた後に乗せたければ、CMCのりなどで固定しておくと綺麗な仕上がりになります。
3.焼成 --------------------------------------------------------------------------------
ステンレス炉床板(あるいはセラミックフェルトがオススメ)の上にステンレス網を乗せ、銅板を乗せて電気炉で焼きます。
800℃まで温度を上げた電気炉に、温度が下がらないよう素早く銅板を入れます。覗き穴から様子を見ながら、表面がつるりとしたガラス質になったら完成です。【クラフトNK3】で販売している窯であれば、大体、下がった温度が再び800℃まで上昇したくらい(2分程度)が頃合です。
4.枠付 --------------------------------------------------------------------------------
枠に嵌めます。
もし釉薬が枠の部分にかかっていて入らなければ、棒やすりで削って下さい。
軽く水で洗って削りカスを落とし再び焼き直せば、削った部分が綺麗になります。
2液の接着剤を枠にしっかり付けて、作品を接着したら完成です。
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なお、膨張係数の異なる素材を乗せると、後々作品に亀裂が入ってしまう危険性があるので注意しましょう。
合成石を試してみたところ、3日後にヒビが入りました。
分厚い作品(割れやすい)だったので、確実に割れるとは言えませんが、ご注意下さい。
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徐々に技法を増やしていきたいと思います。
もし「こんなやり方が知りたい」などのご希望がございましたら、掲示板かメールにてお問い合わせ下さいませ。